【白猫】メインストーリー 第07章 メルリン島
2015/01/23
目次
story1 メルヘン世界の不時着
ななな、なに? どーして着陸したの?
この島に突然引き寄せられたみたいだったけど……?
ここには、大いなるルーンはない、か……
じゃあ、スルーしましょ。道草食ってる暇はないわ。
それが、出来ぬのだ。
どうしてですか?
得体の知れぬ力が、飛行島を縛っているようなのです。
それを断ち切らねば、ここより先の空域に進むことは出来ないでしょう。
ん~……もどかしいわね……
主人公! こうなったら原因究明に乗り出しましょう!
……主人公よ。白の巫女殿のこと……くれぐれも、頼んだぞ。
それにしても、空から見たときも思ったけど、下から見上げると、ホントおっきな木ねぇ~……
まるで世界と同時に産まれ、その日からずっとここに立っているみたい……
?
……ううん。なんとなく、そう思っただけよ。
……無理しないでね、アイリス。
……心配かけてごめんね。大丈夫よ、いまは調子がいいの。
うん、それならよかった。
主人公、さあ、はりきっていきましょう!
メインストーリー 第7章
白馬の王子様
story2 白馬の王子様?
カラフルで楽しい空気だけど、どこか不思議なかんじがするね……
そーねー。なんか、デタラメっぽいっていうか、ルール無用の気配というか……
??? |
---|
おお! 古の言い伝えの通りだ!
え?
う、馬がしゃべった!?
……って、アタシが言えることじゃないか……
おどろかせてしまったようだな。私はウマルス。
悪しき呪いにより、馬へと姿を変えられてしまった者。
――だが、正義を愛する心までは失っていない――
ウマルス……さんは、元々は人間だったのですか?
――かつて、一つの国があった。豊かな川のせせらぎ、肥沃な大地。幸せに満ちた民の笑顔。
愛されし善なる王。その子、勇者ウマルス。
へ~、王子様か~。
しかし、人々の平穏な暮らしは、春の雷のように突如として破られた。
かねてより同盟を結んでいた近隣諸国が、闇に寝返り、攻め寄せてきたのだ。
やっぱり、各地で似たことが起こってるんだ……
民を守るために剣を手にしたのは勇者ウマルス。せきじつに伸ばされた影が、魔物の軍勢に立ちふさがる。
……自分のことなのに、妙な言い方するわね。
既に騎士団は壊滅。ウマルスは孤立無援。だが彼は負けられなかった。愛する祖国を守るため。麗しの姫を取り戻すため。
姫を?
ウマルスには、会ったことのない許嫁の姫がいたのだ。それこそ闇に飲まれた近隣国の王女、セリスレティシア姫。世界中から求婚者の殺到する、凍土も溶かす絶世の美女であった。
うん……うん?
彼と彼女をわかった残酷なる運命とは如何なるものであったのか? これにはまず彼女の生い立ちから語らねぱならない。彼女が生を受けたミュルトブリタニア公王国というのは、歴史の紐を辿っていくと……
ご、ごめん!
なんだろうか?
えーっと、なんの話だったんだっけ?
私がどうしてこのような姿になってしまったか、だ。しかしその国の世継ぎの折――
たいへんごめんなんだけど! かいつまんでもらっていい?
ならば結末だけ話そう。
――そうして、百万人の軍勢もみな倒れ……
あら? 騎士団はもう壊滅していたんですよね?
それとはまた別に、冒険の果て、私の人望に惹かれて集まった味方がいたのだ。
……はぁ。
孤軍奮闘していた私に、ついに最期のときが訪れた。しかし、時代は私を生かしたのだ。
その場に漂っていた憎悪、殺意、その全てが闇と凝縮し、私を取り込んだとき、奇跡が起こった。
私の精神が、闇に打ち勝ったのだ。流れ込んだ闇は逆に力となり、私の命を再ぴ燃え上がらせた。だが――
その代償なのか。戦場に散った多くの邪念が、呪いと変わり、私の力を封じると、真実の姿を奪い去ったのだ……
ふぅ、結末だけでもけっこうあったねえ……
手短な説明で失礼は承知なのだが。
ううん! そんなことないから気にしないで! それよりさ!
アタシたちの乗ってきた飛行島が進まなくなっちゃったの。原因を探っているんだけど。
……ふむ。おそらくそれは<夢のルーン>の影響だと思われるが……
<夢のルーン>……? それはどんなものなんです?
ここで立ち話もなんだ。ひとまず町へ案内させて頂こう。伝承の勇者たちよ。
むむむ……
私のあとについてきてくれ。馬の脚での先導になる。早すぎるようなら遠慮なく言ってほしい。
うん。そーするわ。
馬というのは、<歩く>概念を飛び越え、まず<走る>を与えられた生物で……
うん! わかったからさ、いこう!
そうだな。
story3 《夢のルーン》の島
ねえ、ちょっと聞きたいんだけど。
なんだろうか?
<夢のルーン>についてだよ。
改めて教えていただけますか?
……<対象>となる一人の夢を無限に叶えるという、強大な力を持つグレイスルーンだ。
グレイスルーン……その島の根幹になるっていうアレね。
……彼女が願ったのだろう。強き者の、到来を。
彼女?
……<夢のルーン>を司る妖精だ。
どうして私たちを呼んたのかしら?
彼女は陽気で積極的。君たちのような冒険家の仲間に加わりたいのだろう。
そんな理由でわざわざ?
……あっ、ていうか、アタシたちって伝承の勇者だよね? 妖精に呼ばれた、でいいの?
大事なのは呼ぴ寄せられた理由ではない。
伝承とは、実現してこそ伝承なのだ。
うむむむ……その伝承って? って聞いたらまた話が長くなりそうだし……
聞く手間ほど語る手間はかからない。
……だからつまり、それってアタシたちにとっては長話だってことよね?
長い短いを決めるのは主観の話だと思うが。
ええ~い、なんなのよアンタ! こねこねこねこね、変な風にしゃべってさ!
私はウマルス。とある島では伝説の名馬と崇められている、芦毛の優駿だ。
そういうことを聞いてるんじゃないわよ!
ともかく、<夢のルーン>を司る妖精さんに、会うのが良さそうね。
そうね。コイツじゃ話がこんがらがらがるわ!
がらひとつ多いわよキャトラ。
わかってるわよぅ!
story4 ウマルスとは
ここが町か。どことなくポップねぇ。
ウマルスさん、とても消耗してるみたいですけど、大丈夫ですか?
すまないアイリス。恥ずかしいことに、足が棒になってしまった。
ホントに恥ずかしいわよ。猫のアタシでも平気なのに、馬のアンタがさ。
まだ四足歩行に慣れていなくてな。
優駿って言ってなかったっけ?
良馬場であれぱの話だ。
う~む……
みんな! 伝承の勇者をお連れしたぞ!
<…………>
さあ、町をあげて歓迎しようではないか!
<…………>
……誰も住んでないの?
みな、恥じ入っているのだ。変わり果てた己の姿をさらす勇気がないのだろう。
ここに住むのは私と同じ、元は人間だった動物たちだからな。
みなさんも、同じ呪いで?
事情はそれぞれだ。赤子のときに、邪悪な魔道士に呪われた者もいる。
みなに代わって非礼を詫びよう。すまない。
いいよそんなの。でも、他の人にも会ってみたいよ。誰か、会えそうな人いないの?
そこは自主性に任す他ないだろう。私のように、揺れない心の持ち主は、そうはいないものだ。
うーん、そっかぁ~……
アハハハハハ! 相変わらずだなウマルス! こりずに次々ホラ吹いて!
えっ!?
お花がしゃぺってる……あ、元お花がしゃべってる……あ、元は人間なのね?
ンなワケないじゃないないナ~イ! 若葉のときからずっとこうさ!
……植物は違うってことかしら? ウマルスさん?
そう。人は馬にもなるが、花にはなれぬさだめなのだ。
なによそれ?
アハハハハ! ここは<夢のルーン>の島! 花も鳥も動物もしゃべるのは、そう生まれついているからさ!
呪いだなんて真っ赤なウソ! お前だってただの馬だろう!? 何が勇者だ英雄だ!
……そうなんですか?
…………
みんな家から出ないのはウマルス! お前のウソにうんざりだからさ! 毎日朝晩、誰が来るって? 来たためしなんてないクセに!
みんながみんな知っている、お前の言うこたウソばっか! 誰がそんなの信じるもんか!
耳をふさがれ無視される、お前はただの厄介者だ!
…………
……そうなの? ウマルス……
ウマルスさん……?
…………
ヒヒィーン!
わわっ!?
英雄とは人が作るもの。どんな勇者とて、讃える者がいなければ存在できない。
辛いところだ。
えっ? えっ?
アハハハハ!
ま~だ言ってら!
古き言い伝えの勇者たちよ。私一人ではもてなすも何もない。無力は痛感するが、だからとて立ち止まるわけにもいかない。
進もうではないか。<夢のルーン>、そのありかへと!
なんだか慌てていっちゃった……ごまかしなのかな? ってことは……
アハハハハ! いちもくりょーぜん、ぜんぜんゼ~ン!
もう、たとえそうだとしても、言いすぎよ!
あはははは……
キャトラ、主人公、ウマルスさんを追いましょうよ。
ウソつきだよアイツたぶん。
でも、私たちをだましてどうしようとか、そういうつもりはないと思うの。
何か理由があるのかもしれないし、もう少し話を聞いてみましょうよ。
う~ん……アイリスがそう言うのなら……いこっか、主人公
story5 ウマルスその正体とは
ウマルス! 一人で走っていかないでよ!
不意に湧いた野生の衝動が、私に疾駆させたのだ。
アンタ、元人間とか言ってさ、実は本物の馬なんでしょ?
ならばキャトラは偽物の馬を見たことがあるのか?
置物とか。
一目でそれとわかれば紛れもない偽り。だがそうでなければ、真実とは何か。
人と馬の数だけ、真実はあるのではないか?
そんな話じゃなくてさ、アンタのことを聞いてるの!
自らのことを自らでは語り難いもの。ゆえに他人の口を拝借しよう。
私が乱を治めたはるか東の国では、人々は私を<神速の魔神>と呼んでいた。
すごそう……
だまされちゃダメよアイリス。このエピソードまるごとウソなんじゃないかしら。
たしかに、いまでは誰も信じていない古いおとぎばなしだろう。
アンタ何歳よ!
数えたことがないからわからないな。
長生きなんですか?
違うわアイリス。それは、『数えるのをやめた』場合よ。コイツは最初から数えてなかったんだよ。
末脚の鋭さは、三歳馬相当というところか。
じゃ三歳だ! 即答すればー瞬じゃないこんなやりとり! なのにアンタは!
キャトラ、落ち着いて、一旦おしまいにしましょ?
むぅ~……
さて、説明が遅れてしまったが、この世界樹には様々な魔獣が生息している。
空を飛ぶ蝶は、見る者全てを癒す。放っておいていいだろう、
小さな鳥は、近寄って確実に倒すのだ。遠距離攻撃を続けると、怒りで凶暴化してしまう。
……慎重に進んでいくのが得策だろう。
アンタも闘いなさいよ。
ならば振るおう。この<スタリオンオーブ>を。
オーブ……? 脚で使えるんですか?
私は<馬魔道士>だ。<馬魔法>で操ることが出来る。
…………
ちなみに私は<馬属性>の魔法を得意としている。
全部ウソだ、デタラメだぁ~!
しかし事実、そうして扱えるのだ。
そーかもだけど、<馬魔法>なんてないもん!
未知の物全てが実在しないわけではない。
頭痛くなってくるわ……
――島が悪夢に飲み込まれ。天を覆う巨大な獣が生まれたとき。
思い出したようになによ!?
古の伝承かしら。
そこに勇者が誕生し、全てを終わらす鐘が鳴る――
期待している。勇者たちよ。
それもウソ話なんでしょ?
俗説だ。
じゃー伝承とは違うわね!
story6 ウマルスこのやろう
ウマルス! アンタめちゃくちゃ弱いじゃない!
封印により、いまの私の力は全盛期の十分の一にも満たない。加えて疲労も要因の一つ。
やる気出してないだけじゃないのぉ!?
……ウマルスさん、<夢のルーン>まではまだ違いんですか?
急げば遠くに、焦らねば近くに。目的地とはそういうものだ。
距離を答えて。
……半分は超えた。
最初からそう言いなさいよ。
実感の前に、言葉は無力だ。
おしゃべりのくせによく言うわ……
アハハハハ! 間抜けな冒険家さん! ゴールに待つのは悲劇だけさ!
……なんだか不吉……どういうことなの……
少し考えればわかることさ! 夢! 夢! 夢を叶える! 良い夢も、悪夢もね!
悪夢も……?
みんなが家を出ない理由、ウマルスの他にもう一つ、妖精タニアを避けてるからさ!
タニアの不安が<夢>に映る! 魔物の恐怖を想像すれば、それがそのまま現実になる!
えっ!? それってかなりキケンなんじゃ……
その通り! <夢のルーン>は諸刃の剣さ! せいぜい扱いご注意を!
アハハハハ……!
……ちょっと怖くなるわね。
気にすることはない。この花は縁起でもないことを言うが真実を話しているのではない。
そういうアンタの発言がウソだったりしたら……
裏の裏が表と決まっているわけではない。
哲学的な言葉ですね。
感心しちゃだめだってば。思いつきで口から先にしゃべってんだからコイツ。
口は音を素通りさせるのみ。話しているのは心の方だ
じゃあアンタは根っからのホラ吹きね!
俗説を交えて語ることもあるが、真偽の判断の主体は受け取り手。<イワシの頭もシンジンから>だ。
イワシ……どわすれしちゃった、なんだっけそれ?
<イワシの頭>を発見したのは、当時の新人冒険家だった、という話だ。
それがウソだってのはわかる。
俗説だ。
それもウソだ!
ウマルスさん、私たちが妖精さんに会っても、大丈夫でしょうか? いたずらに不安にさせるのなら……
心配はいらないだろう。……彼女はいつも、私の話を楽しそうに聞いてくれる。
アンタのウソを~?
物語りの醍醐味として、多少の誇張は必要悪だ。
……ともかく、君たちは彼女に会う必要がある。最大限優しく紹介してみよう。
ありがとうございます、ウマルスさん。
では、出発するとしようか。その前に、この先の難所に関し、私からアドバイスがある。
なによ?
二股に別れた道。一つは天国、一つは地獄に通じる。
そこにはかつて二人の門番がいたという。一人は真実しか語らぬ者。一人は決して真実を語らぬ者。
アンタのこと?
……私の構成要素は複雑に絡みあっている。けれどそれは誰もがそうなのだ。
……世界に特定の地点を示す座標などはなく、目印にすべきは己の認識のみ。だがそれも不確か。
またケムに巻いてぇ~……いいよもう、続きお願い。
天国への道を知るにはこう尋ねればよかった。『こっちが天国ですか、と聞いたらあなたは<はい>と答えますか』
……なるほど、そういうことですね。
え? なになに? どーゆーことぉ~?
う一ん、いまはウマルスさんのお話を聞きましょう?
だがこれは以前の話。現在は門番がいるわけではない。
じゃあどうすれば?
心配はいらない。私は<大賢聖ウマルス>とも呼ばれたことがある。私が知らない事象であるのなら、それにそもそも解はない。
ホントぉ~???
導かれし解答は一つ。天国へ誘うは右の道。右へ進むのだ。
はいはい、右ね。
間違えてはいけない。
story7 いいかげんにしろよウマルス
ウマルスー!!!
なんだろうか?
魔獣の説明のときので気づくべきだった!
なににだろうか?
このウソつき! なにが右へ進めよ!
ご期待に添えなかったか。
あたりまえよ!
だが思わないか? 人の思う天国とは。はたまた地獄とは。いかなるものであろうかと。
片方知れば満足だろうか? 両方知りたいと思うのが、人情ではないだろうか。
うぬぬぬぬ…!
次の三又の道は中央を進むのが上策だ。
もうアンタのアドバイスなんか聞かないんだから!
……三つ目の曲がり角、木陰に罠がある。気をつけるのだ。
うるさいうるさ~い!
メインストーリー | ||
---|---|---|
! メインストーリー 第01章 大冒険の始まり(アストラ島) ストーリー | 2014 07/14 | |
! メインストーリー 第02章 大いなるルーンを求めて(イスタルカ島) ストーリー | 07/14 | |
! メインストーリー 第03章 バルラ城塞王国(バルラ島) 前編・後編 | 07/14 | |
! メインストーリー 第04章 常夏の楽園(ピレント島) 前編・後編 | 08/20 | |
! メインストーリー 第05章 ガラクタ島の機械少女(ディーダ島) 前編・後編 | 10/07 | |
! メインストーリー 第06章 アオイの国の風来坊(アオイの島) 前編・後編 | 11/19 | |
! メインストーリー 第07章 メルヘン島の白馬の王子様(メルリン島) 前編・後編 | 2015 01/23 | |
! メインストーリー 第08章 宿命と記憶の眠る島(学術都市スキエンティア) 前編・後編 | 03/30 | |
! メインストーリー 第09章 大歓迎!テーマパークの島(ジモ島) 前編・後編 | 08/24 | |
! メインストーリー 第10章 監獄に潜む暴虐の衝動(監獄の島バルヘイム) 1・2・3 | 2016 05/13 | |
! メインストーリー 第11章 闇の底に射す光(監獄タルタロス) 1・2・3・4 | 2017 02/24 | |
【番外編】ゼロ・クロニクル | 3周年 07/14 | |
! メインストーリー 第12章 一枚のコインの導き(海底都市ウェルテクス) 1・2・3・4 | 11/08 | |
【 if 】四魔幻獣 【WORLD END】 1部・2部・3部・4部・5部 | 4周年 2018 03~07 | |
! メインストーリー 第13章 (貴石の国センテュリオ) 1・2・3・4 | 10/19 | |
DARK RAGNAROK ~黒の後継者~ | 5周年 2019 07/14 | |
! メインストーリー 第14章 (虚空の幽園) 1・2・3・4 | 10/30 | |
Gravity Horizon 序章・1・2・3・4・5 | 2020 03/31 | |
Runaway Horizon 序章・1・2・3 | 04/15 | |
Extend Horizon 序章・1・2・3・4・5 | 05/28 | |
Crisis Horizon 序章・1・2・3 | 06/29 | |
Original Horizon 序章・クロカ編1・2 シロー編1・2 アイリス編1 幕引き 1・2・3・4 | 6周年 07/14 | |
! メインストーリー 第15章 | 7周年 2021 |