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【白猫】メインストーリー 第05章 ~機械仕掛けの島~ 後編

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

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2014/10/07



Story9-1 小さな変化

Story9-2 同じ歩幅で

Story11-1 電撃と衝撃

Story11-2 目が覚めたら

Story13-1 心配だから

Story14-1 機械少女の秘密

Story14-2 心の在りか

最終話


エピローグ





story9-1 小さな変化



アイリス……様。

なあに? ハーティ?

少し落ち込まれているようですが?

……そんなことないわよ?

様子が変わりました。アイリス……様ではなく、みなさま全員が。

……違和感があります……


ほぅ……

RB? なに感心してんのよぉ~?

ハーティがな……

ハーティが?

ウム。

ウムじゃなくて!

……でも、なんとなく、アタシも感じてるよ。

「」

主人公アタイもそう思うよ。きっとアイリスの影響よね……

みなさまの変化に関して、私に落ち度があるなら、改善いたしますが……

……どうしてそう思うの?

どうして、とは……

……答えてみて。あなたの正直な言葉でいいの。

……わかりません…………わかりませんが……

……うん……少しずつ、ゆっくり、ね……

アイリス……さま。

……それにしても、ベタネタして歩きづらい床じゃのぅ。

アタシ、アンタの頭に乗ってく~。

にゃにっ!? ……まあ、ええじゃろ。効率的ではあるからのぅ。

やった~! すっすめ~! キャトラタンク~!

銃座は任せたぞィ、キャトラ曹長!

ふふふっ、二人はすっかり仲良しね。

アイリスとハーティだって。

……うん! そうね!

! ……私は……

いこう、ハーティ!

はい……アイリス……さま……



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story9-2 同じ歩幅で



すすめ~♪ キャトラタ~ンク♪

無人の荒野を~ひったすらに~♪

キャトラ曹長! 二時の方角に敵影ぢゃ!

やってやるぅ~! ばばばばばば!

圧倒的ぢゃのぅ! くゎっかっか!

もう、二人とも、調子に乗って……

きゃっ?

ううう……やっちゃったぁ……

あちゃ~……だいじょうぶアイリス? オイルでベッタベタだけど……

ううう……先行ってていいよ……危険なわけじゃないから……

ホントに平気?

うん……平気は平気……いってらっしゃい……

じゃあ、あそこにスイッチ見えてるし、押してきちゃうねぇ~。

キャトラ小隊、GO!

らぢゃー!

…………あの……私は………………

アイリス……さまと……一緒に……います……

……!

それは……現在……もっとも上位のマスターが、アイリス……さま、であり……

その……論理的に優先順位を……予測してのことで……

……私は……

……ハーティ。……ありがとう。

……いえ……そんな……

(聞いた? RB?)

(ウム。興味深いのゥ。)

(もう少し見守りましょうか?)

(ほじゃのぅ)


 ***


よぉ~し! とうちゃ~く!

警戒態勢意地のまま、スイッチオ~ン!

……おぅ、なんも起きんな。

これぢゃこれぢゃ、これで正解なんぢゃ。

よぉ~し、キャトラタンク、次の工場へ向けて、しゅっぱ~つ!

ここ出たら降りるんぢゃぞ~。

ええっ!? どうしてっ!?

キャトラタンクはこのステージだけのサービスぢゃて。

楽しかったのにぃ~……

ふふ、キャトラったら。

さあ、行きましょう、ハーティ。

……はい。



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story11-1 電撃と衝撃



三つ目の工場は、難なく奥まで来れ――

危ない!

<――>

あああっ!

ハーティ!

ダメじゃアイリス! さわったら巻き込まれるぞィ!

でも、ハーティが……!

…………

ハーティ! 大丈夫!?

……ハーティ?

…………

<ハーティは武器を構えると、アイリスめがけて振り下ろした!>

うっ……!

!?

アイリスっ!

……大丈夫よ、これくらい……!

…………

さっきの電撃がハーティを暴走させてしまったようぢゃ……!

ハーティ……!

…………

主人公……! お願い、ハーティを止めて……!

……



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story11-2 目が覚めたら



RBさん! ハーティ、目を覚ましますよね!?

こんなアームぢゃなきゃこんくらい、一瞬で修理できるんぢゃが。

どのくらいかかりそう?

ほィ、終わったぞィ。

やっるじゃ~ん!

ハーティ! 聞こえる!? ハーティ!

………………?

ここは……?

よかった……!

! アイリスさま! そのケガは……!

ううん、なんでもないの。

……いいえ。記憶回路に損傷があるのですが、おそらくそれは、私が……

……すみません……! 私、なんてことを……!

ハーティ……


 …………フムゥ……

 ふむふむ♪


どうやってお詫びすればよいか……!

……ハーティ。覚えてる?

……何をでしょう?

あのときあなた、『危ない!』って、私をかばってくれたよね。

だれに命令されたわけでもないのに。

……!

……そう…………だった、でしょうか……

ええ……

どうして私、そんなことを……?

……ありがとうね、ハーティ。

私、嬉しかったよ……

アイリス……さま……

……すぅわぁって!

皆の衆、注目ぢゃ! ここにある三つ目のスイッチを押すと……!

<――>

……ここでは何も起こらんが、マザコンのある施設へのゲートが開いたはずぢゃぞィ!

変な略し方しないでよ。まあ、ともかく。

さっそく行ってみよぉ~!

大いなるルーンがあるとしたら、そこが一番あやしいモンね♪

……それなんぢゃが……ちぃっと、ずつ、思い出して来たんぢゃが……

お前らの欲しがってるソレ、くれてやることが、出来んかもしれんのぢゃ……

えぇ~!? ど~してよぉ~!? 話が違うじゃなぁ~い!

ウム……

……RB?

……傷つけちゃったのは事実ですので。その分なんなりと、ご命令……

……お願いを。どんなお願いでも聞きます。私、何でもしますから。

……ハーティ……そんな、気にしなくてもいいわよ。

さあ、行きましょう!

はい!



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story13-1 心配だから



主人公さま。周囲の警戒、ご苦労様です。

主人公さまを手伝ってあげてと、命令……お願いされまして。

……優しい人ですね、アイリス……さまは……

……私、わからないんです……

どうしてあのとき、私は、アイリス……さまを、かばうことが出来たのか……

主人公さまには、それがわかるのかと思いまして……

主人公さまは、アイリス……さまを、いつも、守りますよね……

どうして……ですか?

……これは、とんだところで出会ったわね……

……あなたは?

私はグローザ。ふふふ……ハジメマシテ。主人公様……

ヴァルアス様には止められてたけど会っちゃったら仕方ないわよね。

あいさつくらいしておかないと。

でもごめんなさい。用があるのはそっちのアンドロイドなの。

大いなるルーンのありかを教えてもらえるかしら?

私、知りません。

記憶というのは、自分が思っている以上に残っているものよ。

それを見させてもらうわ。

<>

頭が……!?

あらあら、随分味気ない人生を送って来たのねぇ、あなた。

人生、じゃない。アハハハハハ。

さあ、私が知りたいのは、もっともっと過去のこと。

あなたが作られた瞬間を――

――!

……! 主人公様……!

この私に、剣を……?

……許せない……!

闇の誇りを捨ててまで、そんなにあの女がいいの!!!

<>

――!

主人公さま……!


 **



(自分……?)


 黒い自分が、はるか遠くを見つめている……

 その視線の先には……



 ***


主人公さま! 大丈夫ですか!?

やめろ! それ以上、主人公さまを苦しめるな!

このデク人形が……!

オイル塗れの手で私に触れるなんていい度胸してんじゃないの!


なにやってんのよアンタ!?

ヌヌっ、貴様はこないだの女!

ハーティ! 主人公!

ちっ、ゾロゾロと…………あ! あの子猫ちゃん♪

へ?

主人公さまとアイリスさまは私が守る! このっ……!

ハーティ!

あああっ!!!

バカみたいに突っ込んでこないでくれる?

ほんと、醜いんだから。

……あ~あ、なんだか興が削がれちゃったわ。

また会いましょう。子猫ちゃん♪ 主人公様……


な、なんだったのぉ……?

ハーティ!

アイリス……さま……無事で、よかっ――

バカ!

どうしてあんな無茶をしたの!

私は……主人公さまがやられたら、アイリス……さまが悲しむと……

だったら……私が、命に代えても……注意を引きつけようと……

私の気持ちがわからないのっ!?

え……?

アイリスさま……、涙……?

私は……! 私はあなたを失っても悲しいわよ! ハーティ!

……もう……二度と……さっきみたいな真似はやめて……

…………

アイリス……

……わかるか? ハーティよ。

アイリスの言うとることが……

……言葉には……出来ないかもしれませんが……

……感じます…………とても、あたたかい……

そうぢゃろぅて……

……行くぞィ。目的地まで、もうすぐぢゃ。



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story14-1 機械少女の秘密



これがマザーコンピューター? 大きな機械ね……

ひぇ~、目がチカチカするぅ~。

さてさて、ワシの出番ぢゃな。さっそく再起動したるかいのぅ。

どんくらいかかる?

こんあアームぢゃなきゃいっしゅんなんぢゃがのぅ。まあ、ちっと待っとれィ。

ピポパポのピポ、と……

……そういえばさぁ、島の機械は暴走してるのに、なんでハーティは平気なの?

……ついにそこに気づいてしもうたか……

バレんようにするため、お茶目なジジイを演じておったんぢゃがのぅ……

ウソばっか。あれが地なんでしょ?

まあのぅ。

で、なんなの? ハーティだけ正常な、その理由とは?

実は……


「体内に大いなるルーンが埋め込まれているから、でしょう?」


!!

ハーティ!

くっ! はなせ!

それがあなたの最後のセリフでした。

<雷をまとったグローザの腕が、ハーティの胸を貫いた――>

ハーティーーー!!

アイリス……さ……ま……

これが……! 大いなるルーン……!

…………人間の心を宿すため……

ワシは、<慈愛のルーン>をハーティの回路に組み込んでいたのじゃ……

こんな物を持っていたなんて、ずいぶんぜいたくなデク人形だったのねぇ。

余計な物を抜き取られて、少しはらしくなったかしら? 返事をしてごらん、お人形さん。

……ご命令を。

ハーティ! 返事をして、ハーティ!

……ご命令を。

命令ねぇ。どうしようかしら?

……そうだ! その女を殺してくれる? お人形さん。

…………

……

だめよ、主人公!

アイリス!? でも――

ハーティは、ただ命令に従うだけの人形なんかじゃないもの!

無駄じゃ……ルーンの力を借りてさえ、ハーティに心は産まれなかった……

それがなくなったいまとなっては、もう……

ハーティ!


…………

どうしたの? 早く殺しなさい!

…………………………………………

 …………………………………………

 …………………………………………

 …………………………………………

 …………………………………………

 …………………………出来ません。

はぁ!?

……お友達の、アイリスを…………殺すなんて……私は……

……やりたくない……

……出来ません……! ……命令を…………拒否します……!

ハーティ……!

アイリス……

なんと……! 心が……!

ハーティに、心が芽生えたと言うのか……!?


……可愛くない。

あんたたち、何一つ、可愛くない!

もう、あんたたちなんか……!


ここで死んでしまえ……!




BOSS

しもうた! マザーまで暴走したわィ!

 ワシらを敵と認識しよったな! 追撃モードに入っていきよる!

 ガーディアンが出てくるぞィ!

が、が、ガーディガン!?





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story14-2 心の在りか



……そんな……!

なんで、どうして、あんたたちが勝つのよ!

見たか! これがキャトラタンクの性能よ!

ばばばばば!

観念してもらうぞィ!

ハーティ、大丈夫……?

ええ、アイリス……

まさか、闇の力が……?

そんなはずは……! でも、そうでなければ……!

……くっ!

<――>

うわわわわっ!? 目がぁ~!

一瞬、くらんだぁ~!

あの女、逃げよったぞィ。

あ~! 大いなるルーンが持ってかれちゃったぁ~!

RB! 見えてたんなら捕まえなさいよぉ~!

この0.1馬力のボディでか?

そりゃ無理な相談ぢゃ。それに……

ハーティ!?

大丈夫……致命傷じゃないですから……

……でも、なるべく早く、修理してもらいたいです、ね。

……ふふ、ハーティ……

RBさん、お願いします。

任せとけィ! 研究所に戻るぞィ!

私も修理お手伝いします。

――。

ありがと、みんな……

キャトラ、お前は外で待っとれよ。

えっ、どうして!?

精密機械に、動物の毛はヨクナイからぢゃ。

そっか。頭に乗ったりしてたけど、RBは平気だったの?

ワシャ精密機械じゃないからのぅ。って、何言わせるんぢゃ!


ふふ。さあ、帰ろう? ハーティ。

ええ、アイリス。

TOP↑



エピローグ



「……これでどうだ……

〈慈愛のルーン〉の力が上手く働けば……

見せてくれ……

他者を思いやり、決して争わぬ、温かくて優しい心を……」

「…………」

「おお……! わかるか……?

お前の名は、<ハーティ>だ。声を聞かせておくれ、ハーティ。」

「私はハーティです。」

「そうだ、お前はハーティだ! 気分はどうだ? ハーティ?」

「ご命令を。」

「……そんなことより、どうだ?

初めて目にするこの世界は? いまの気持ちを聞かせてくれ。」

「気持ちというものはありません。命令をください、マスター。」

「………………学べ。」

「学ぶ? 何を?」

「……人間らしさを。」

「人間らしさとはなんでしょうか?」

「うるさいわ! ワシは忙しいんじゃ!

たったいま完成した発明が、失敗作だとわかったんじゃからな!」


「……人間らしさを……

 ……学ぶ…………善処します……」



 ***



「マスター。こんなところにおられたのですか。

夜風は体に悪いですよ。」

「……おお、ハーティ。ボディはどうぢゃ? 不具合はないかのぅ?」

「ええ。マスターのおかげで、この通りです。」

「そりゃぁよかったわィ。」

「早めにお休みくださいね。

アイリスたちは、明日この島を発つそうですから。」

「……ハーティ、いいのか?」

「……はい。私の役目は、マスターのお手伝いですから。

……マスター?」

「なんぢゃ?」

「私、達成出来ましたでしょうか?」

「何をぢゃ?」

「…………」

「……ハーティ、お前まさか、一番最初の命令を、覚えて……」

「あの頃の記憶は、本当に微かなのですが……」

「ハーティ……!

……ふぉふぉふぉ。

 ワシャ、もうちぃとだけ、ここにおるわィ。」

「それでしたら、どうぞこちらをお使いください。」

「スマンのぅ……

って、ハーティ、ワシャこの体じゃ、毛布をどうしろってんぢゃィ?」

「……ふふふ。」

「……ふぉふぉふぉ……かっかっかっかっか!」



 ***



もう出発かぁ~……

名残惜しいよぅ~……キャトラタンクぅ~……

キャトラったら、何言ってるのよ。

ホントはアタシよりもアイリスのほうが悲しいんじゃない?

せっかくハーティとも、仲良くなったのに……

ねぇねぇ、ハーティも一緒に連れて行っちゃおうよ♪

そうしたら、RBさんが一人になっちゃうわよ?

そっか……

いいのよ。もう二度と会えなくなるってわけじゃないんだから……

アイリス……

――!

主人公、どうしたの?


みんなー!


え!?

ハーティ!? 見送りには来れないんじゃ……?

マスターが言ってくれたんです!

みんなと一緒に、世界を見て来いって!

私はまだ生まれたばかりだから、もっといろいと学ばなきゃ、心を持ったとは言えないって!

RBさんが……

私も連れてってください!

……うん! 大歓迎よ!

これからもよろしくね、ハーティ!


お~いィ~!

あ、RB!

元気でなぁ~!

いいの? アンタ一人で?

ワシの研究は、間違ってなかったんぢゃ~。

ルーンの力なんぞ借りんでも、アンドロイドにも、心は宿る。それを教えてもろたからのぅ。

ハーティ! 今度戻ってきたら、お前の妹や弟たちが、たくさん待っておるからなぁ~!

はい! 楽しみにしています!

行ってきます、マスター!



TOP↑

エピローグ



……でも、大いなるルーンは奪われてしまったわね……

アタシたち以外にも、集めてるヤツがいたなんてね……あの女、何者だろ?

ねえ、主人公。

この前の島の黒いメガネといい、あの女といい、アンタを知ってたみたいだけど……?

…………

わかんない、か……そうよねぇ……

…………

……アイリス?

……ううん。でも何か、とても大切なことを、忘れてしまっているような……

ごめんなさい。はっきりとしたことはわからないのだけど……

きっとまた、あの女にも会うだろうし。

主人公! これから先はいっそう気合入れていくわよ!





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