通信／マンハント：クロスロード

バードン・シェーファー：
ブリッジは最高だった。

マニー・オルテガ：
彼女は全ての中心だ。

バードン・シェーファー：
中心じゃないウィングマンさ。

マニー・オルテガ：
キーナーの補佐役か。

バードン・シェーファー：
ああ。だがナットとその父親もだ。期待されるでもないお飾りだった彼女は、見くびられていた。彼女はそれを利用した。本当になりたい自分にはなれないから、必要とされるあらゆる存在になった。

マニー・オルテガ：
うん。スパイにうってつけだな。

バードン・シェーファー：
完璧な社交人形。お前がナットに抱く印象に当てはまるのはブリッジだ。ブリッジは彼女は規則を守り、組織のために自分を犠牲にした。ナットは違う。個人的な利益がない限り不愉快な思いに耐えたりしない。

マニー・オルテガ：
会いたいか?

バードン・シェーファー：
ナット?

マニー・オルテガ：
いやブリジット。

バードン・シェーファー：
はぁ...。なんだかんだで彼女は親友だったしな。そして彼女とフェイ。二人には愛があった。戦うだけの価値あるものを持ち、俺たちはそれを殺した。全ての選択が二人の死を招いた。

マニー・オルテガ：
知らなかったんだ。すまない。

バードン・シェーファー：
謝るのはよせ。

バードン・シェーファー：
”マネージャー”のことを知らないのか?

マニー・オルテガ：
”マネージャー”なんて聞いたことがない。

バードン・シェーファー：
嘘だろ...フェイ。コニーアイランドで俺を確保したら彼も回収する手筈だった。

マニー・オルテガ：
”マネージャー”については何も聞いてない。

バードン・シェーファー：
”マネージャー”の役割は工場管理と物資の配送。彼を捉えればブラックタスクの物資補給を断てる。

マニー・オルテガ：
ほんとか?

バードン・シェーファー：
ああ、マニー。”マネージャー”を確保しろ。

マニー・オルテガ：
ブラックタスクのサプライドロップを追ってるが、ポトマックイベントセンター行きのホバークラフトがある。

バードン・シェーファー：
そこだ。俺が目覚めたことをナットが知ったら危ない。俺がいなくなった今、奴は目立たぬよう任務を続行しようとするだろう。

バードン・シェーファー：
...くそっ！マニー！通信機をつけてるのか?

マニー・オルテガ：
ああ。

バードン・シェーファー：
バレた。殺される前にエージェントを送って”マネージャー”の確保を。

マニー・オルテガ：
大丈夫なのか?

バードン・シェーファー：
2ヶ月も無駄にした。きつくなったら休憩を取ればいい。

マニー・オルテガ：
「鍵」と呼ばれるわけだ。

バードン・シェーファー：
おい、まだそんなこと言ってるのか。

マニー・オルテガ：
彼らはコードネームが好きだしな。お前は確かに強かったが...

バードン・シェーファー：
強かったのはフェイだ。

マニー・オルテガ：
すまない...。知らなかったんだ。

バードン・シェーファー：
だから意識のある状態で俺を確保すべきだった。

マニー・オルテガ：
したさ。だが搬送中昏睡状態になった。外症性脳損傷の遅発性反応だ。

バードン・シェーファー：
医者が薬を持ったとか？

マニー・オルテガ：
担当はサマーズ。ラボを管理してて治療に疑問を抱く者はいなかった。

バードン・シェーファー：
彼の資格についても？

マニー・オルテガ：
疑う理由がなかったんだ。間違いだった。

バードン・シェーファー：
ったく最悪だ。

マニー・オルテガ：
大丈夫か?

バードン・シェーファー：
ああ、歩けるように訓練してるんだ。まさにこの冬にやろうとしてたことさ。

マニー・オルテガ：
すまない。リハビリのことも考慮したかったが、リソースが足りなかった。

バードン・シェーファー：
いいんだ。過去は変えられない。未来のために努力するのみ。

マニー・オルテガ：
痛み止めはいるか?

バードン・シェーファー：
鎮痛剤がある?それとも生姜を噛んで痛みを麻痺させる?

マニー・オルテガ：
キーナーのチェリーウィスキーを奪おうかなと。

バードン・シェーファー：
奴のものを盗んで拷問するのが目的ならそうしてくれ。キーナーのウイスキーをもらうよ。"治療用"にね。

マニー・オルテガ：
少々お待ちを。

バードン・シェーファー：
奴らどこにでもいる。

マニー・オルテガ：
文字通りってわけじゃないだろ。

バードン・シェーファー：
ああ、カーマンズとは違う。あちこちにブラックタスクのバンカーがあるわけじゃない。だが半日も歩けばセーフハウスがあるし、車を使えばバンカーだって。ヘリなら天候や着陸場所の必要性にもよるが1-2時間で行き来できる。

マニー・オルテガ：
対抗できるのか?

バードン・シェーファー：
無理だ。だからシャットダウンを試みてた。

マニー・オルテガ：
ダイヤモンドネットワーク?

バードン・シェーファー：
ああ、ネットワークを止めバンカーを制圧しナットの技術を奪う。

バードン・シェーファー：
ネットワークを葬り去るにはクレアが必要だ。"フットボール"と大統領権限も。この3つが揃えば完璧だ。

マニー・オルテガ：
どれも持ち合わせてない。

バードン・シェーファー：
権限はある。

マニー・オルテガ：
俺は大統領じゃない。

バードン・シェーファー：
大統領である必要はないさ、マニー。

マニー・オルテガ：
大統領じゃなきゃ大統領権限は持てない。

バードン・シェーファー：
おい...ケルソーを行かせる前に"カサンドラ"の任務内容を聞かなかったのか?

マニー・オルテガ：
お前を目覚めさせること?

バードン・シェーファー：
俺はブラックタスクのバンカーの"鍵"。オルティスロボティクスネットワークの鍵じゃない。フェイが任務を果たしてエリスが死んだなら彼女に権限が渡ったはず。

マニー・オルテガ：
腕時計か。フェイの時計に権限が...

バードン・シェーファー：
ようやく話に追いついたなマニー。

マニー・オルテガ：
時計はケルソが持っていった。ここじゃ危険だと...。彼女はこちらの注意を引かせつつ移動を続け、俺たちを守るために身を潜めた。

バードン・シェーファー：
通信を使えない場所で話したろうな?

マニー・オルテガ：
ああ。テックは持ち込み禁止で、WiFiキラーとEMPも用意し記録が残らないようにしてた。

バードン・シェーファー：
彼女は賢い。CIAの権限は取り消せても、訓練で培ったものは消せないんだな。

バードン・シェーファー：
ジョンソン。

マニー・オルテガ：
彼がハンターだと知ってた?

バードン・シェーファー：
ああ。

マニー・オルテガ：
それが伝えられなかったことの一つか。

バードン・シェーファー：
そうだ。

マニー・オルテガ：
くそ。なんてこった。

バードン・シェーファー：
責めるな。ジョンソンはいいやつだったが、道を違えてしまった。間違った相手を信じたが、根っこでは正しいことをしてると思っていた。

バードン・シェーファー：
誠実なやつだから、誠実な選択をしたわけで操られてたとは思いたくない。

マニー・オルテガ：
結局みんな同じものを望んでる。家族を育てられる安全な場所。それがどんなものか共有できれば申し分ないんだが。

バードン・シェーファー：
牛乳を飲むか否かも意見が割れる。子供の安全についての議論はどの文明も勝利したことがない戦争さ。

マニー・オルテガ：
もういい。

バードン・シェーファー：
どうした。

マニー・オルテガ：
父親になって今までは知らなかったストレスを感じてる。

バードン・シェーファー：
なんだって?おめでとう。嬉しいか?

マニー・オルテガ：
ありがとう。緊張してるよ。辞められない仕事だからな...。

バードン・シェーファー：
ホワイトオークからのECHOは?

マニー・オルテガ：
ああ。でも音声がない。"眼鏡"のデータ抹消が優秀でANNAも文字起こしの情報しか拾えなかった。

バードン・シェーファー：
フェイに権限が?

マニー・オルテガ：
ああ。彼が渡し、元に戻せないよう自分を殺させた。

バードン・シェーファー：
ほう...

マニー・オルテガ：
なんだ?

バードン・シェーファー：
まさか"チキンホーク"に驚かされるとはな。最後には度胸を見せたわけか。

バードン・シェーファー：
奴は嫌いだが、自分が招いた惨状の責任を取り、正しいことをした点には敬意を払う。

マニー・オルテガ：
一体どのエリスの話だ?

バードン・シェーファー：
悪魔と契約し、権力を追い求めた下位議員議長。

マニー・オルテガ：
ナットは悪魔じゃない。

バードン・シェーファー：
悪魔の最大のトリックを知ってるか?

マニー・オルテガ：
資本主義?

バードン・シェーファー：
ルシファーは堕天使。神のお気に入りの息子。ナットは父親に追放させられる前に王国を乗っ取ったんだ。

マニー・オルテガ：
フィリックス...

バードン・シェーファー：
彼はどこに?

マニー・オルテガ：
フェイを追う前、ナットに騙されて殺してしまった。ブリジットも...

バードン・シェーファー：
今でも彼女が悪魔でないと?

マニー・オルテガ：
悪魔じゃない。裏切り者だ。裏切り者は責任を問われるか殺される。

バードン・シェーファー：
彼女を”サイクロプス”と呼ぶな。

マニー・オルテガ：
"カサンドラ"。ケルソ・"カサンドラ"じゃなくて、フェイ・ラウ・"カサンドラ"。コードネームは嫌いだ。

バードン・シェーファー：
まったく最悪だ。

マニー・オルテガ：
なぜ我慢してる?

バードン・シェーファー：
コードネームは嫌いだが、キーナーの言う通りだ。ナットに計画を悟られにくいよう暗号を使った方がいい。

バードン・シェーファー：
秘密裏に動いて権力者を倒したけりゃ、コードネームが必要だ。クソみたいなのもあるがな。

マニー・オルテガ：
例えば、「眼鏡」は鼻につくって?

バードン・シェーファー：
はっ。まだ父親じゃないんだろ。親父ギャグはもう少し抑えた方がいいぞ。

バードン・シェーファー：
で？他に何が知りたい?

マニー・オルテガ：
相続人。

バードン・シェーファー：
どっちの? ブリッジの話はできない。今は辛すぎる。

マニー・オルテガ：
メレット。

バードン・シェーファー：
そうか。ウールの女王について何が知りたいんだ?

マニー・オルテガ：
ナットとの関係は?

バードン・シェーファー：
報われない。

マニー・オルテガ：
そりゃどういう意味だ?

バードン・シェーファー：
マックはナットが望む女にはなれなかった。

マニー・オルテガ：
どういうこと?

バードン・シェーファー：
身勝手なんだ。

マニー・オルテガ：
有名な慈善家だろ?

バードン・シェーファー：
ああ。自動奴隷労働と地球破壊で金を稼ぐ他の億万長者同様な。注目されるのは公の善行だけで他のご立派な資質は無視される。

マニー・オルテガ：
彼女の製品は全部マレーシアの搾取工場製とか?

バードン・シェーファー：
いや、製品は倫理的に調達され十分な報酬を得ている。彼女は実際。「慈善家」なんだ集団を大切にし、個人を憎む壊れた女性さ。

マニー・オルテガ：
ああ...よくわからないな...

バードン・シェーファー：
世界を救えば彼女は善人になれる。だが一人を救うとなったら?コミュニティではなく一人のために労力を費やし、大きなシステム的な決断を下すことは、彼女の貴重な時間を無駄にする行為だ。

彼女を制御することはできない。彼女は自分のしたいことをし、その影響を考慮しない。だがナットは制御下にあることで成り立っている。

彼女はマックの抵抗を勝利への挑戦と捉えた。誰も耐えられないようなクソみたいな有害な関係としてではなく。奴ら40代になってもまだこんなゲームを続けてる

マニー・オルテガ：
俺はまだ29

バードン・シェーファー：
嘘だろ...マニー。50ぐらいだと思ってた。大統領の権力は本当に人を老けさせる。

マニー・オルテガ：
俺は大統領じゃない。

バードン・シェーファー：
大統領室で俺を尋問してる。大統領だろ。

マニー・オルテガ：
ダイヤモンドの話を。

バードン・シェーファー：
ああ。ナットの好きな形。

マニー・オルテガ：
ブラックタスクのロゴの形だ

バードン・シェーファー：
あぁ...。

マニー・オルテガ：
ナットは"ダイヤモンド"?

バードン・シェーファー：
は?ダイヤモンドは彼女のサーバーだ。ブラックタスクのテック・情報・通信・AIを制御してる。

マニー・オルテガ：
SHDネットワーク...

バードン・シェーファー：
SHDネットワークと同じシステムが基盤だ。DCのノードを除去したら、通信ドローンホバークラフトが止まった。

マニー・オルテガ：
だからネットワーク復旧まで攻撃しなかった。

バードン・シェーファー：
ご明答！さあ景品はこれです。

マニー・オルテガ：
誰と話してる?

バードン・シェーファー：
はっ。誰でもないさ、冗談だ。明るくいこう。

マニー・オルテガ：
休ませてくれ...。コーヒー飲むか?

バードン・シェーファー：
あるのか?

マニー・オルテガ：
タンパポの根を焙煎したコーヒーなら。ハチミツを入れれば悪くない。

バードン・シェーファー：
ほう...紅茶にしておこう。あればミントも。

マニー・オルテガ：
ミントティー少々お待ちを。

バードン・シェーファー：
やつは俳優だったんだ。

マニー・オルテガ：
ああ、有名じゃないけど。

バードン・シェーファー：
CPRじゃなくて救急カートで心肺蘇生を始めた時、何かおかしいと思わなかったのか?

マニー・オルテガ：
救急カートを使うところも見たことないぞ。

バードン・シェーファー：
怪しいと思わなかったのか?

マニー・オルテガ：
特に...。去年は心臓発散多くなかった。銃創、火傷とかばかりで。

バードン・シェーファー：
まったくマニー...。誰がお前をこの仕事に?

マニー・オルテガ：
運命?

バードン・シェーファー：
何歳だ?

マニー・オルテガ：
見た目より若い

バードン・シェーファー：
まったくなんてこった...。望んでついたわけじゃないんだな。なりゆきでこうなったってわけか。

マニー・オルテガ：
ああ。

バードン・シェーファー：
『サマーズ・ウェイ』を見たことないのか?

マニー・オルテガ：
サマーズウェイ?

バードン・シェーファー：
おいおいマニー...。『サマーズ・ウェイ』だ。"ドクター・サマーズ"。あの俳優が出てた番組だよ。

マニー・オルテガ：
知らんな。

ケイコ・ナカマ：
あの..."マネージャー"...。よりにもよってあんなムカつく男を生かしておかなきゃいけないなんて...。

それにあいつの猫...。弾倉一個丸ごと撃ち込んでやりたいね！

”キティ・フラフィー・キスキス”?ふざけた名前！

30分もかけてご大層なカフェモカを作るところも嫌気がさす。うぇ、バカバカしい。

あいつのセーターも最ぃ悪。猫のセーター。どれもこれも猫の柄付き。

いつも笑いかけてきて、「おはよう」とか「川に沈む夕日をご覧」とか「このモカは完璧だ」とか「キティ・フラフィー・キスキスを見てないか」とか、

マジウザい

あいつの立派な口ひげを引きちぎって、猫を撃ち殺して、ポトマックに捨ててやろうか。誰も気にしないでしょ！

そうだ...。あの間抜けを知ってるのは私だけ。すべてが片付いたら、そうだね。あいつらには慈悲深い死を与えてやるべきかもね。

「テーブルの上のあれを取って」でそこをバンッ！ああこれがいいかもしれないな。

"マネージャー"：

よし、では始めよう。俺はマネージャーとしてここに遺言を残す。

まずは不動産について。これはもう存在しない。俺のアパートは燃えてしまったからな。残念なことに。

次は所有物についてだ。大半のものはアパートの中にあった。だから、そういうことだ。

だが遺産として残したい大切なものが一つある。俺には家族がいないからそれを受け継ぐ者は...ケイコ。君しかいない。

"キティ・フラフィー・キスキス"は俺に残された唯一の、そう俺の全てだ。俺亡き後あの子を世話する人間が必要になる。

そう...それが君なんだ...ケイコ。

分かってるさ。君はよくあの子に弾丸を撃つ込んでやりたいとか言ってたな。だがそこに愛情があることも俺には分かってた。

日に一度キャットフードを与えるだけでいい。困ったことが起きたときは一日置きだっていい。弾を撃ち込むんじゃなく、撫でてやってくれ。

あの子は撫でられるのが好きなんだ。優しくな。毎日や毎週が難しかったら、月に一度...いや2ヶ月に一度だっていいんだ。

お前ならこの遺言を尊重してくれると信じてる。ありがとう、ケイコ。