Bottomless Pit_28

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Black Survival　― Bottomless Pit ―

各話セリフ/意訳

▼ セリフ訳 下書き. 不明な一人称は暫定.

Part.28

「わ･･･なんだこりゃ。」

　　　　　てく

てく

「元から荒れてたとはいえメチャクチャじゃん。」

「ちょっと早く来てたら俺らもこうなってたと思うとゾッとするね。」

「これ問題だよなあ。1～2年に一度は決まってこんな事が起きてるとか･･･」

ズルッ

「だけど研究員らはまだしも、なんで実験体たちまでここで死んでんだろ？ 彼らも殺し合ったのかな？」

「いや、研究員のひとりが始末したんだよ。」

「実験体たちを？ どうやって？」

「彼女だよ。いるだろ。暴走すると手に負えない気の毒なイカれた子。」

　　　　　　　　　「一次のときは実験体だったけど研究員になった･･･」

ドカッ

「ああ。”ウィクライン？”」

「 ･･･ 」

「また例の精神障害が再発したんだね？」

「 ･･･ 」

「まあ･･･実験体たちが研究所に侵入し襲撃された状況なら精神的に追い込まれても仕方ない。」

「いいだろう。今回の件について君に何か処分を与えるつもりはない。」

「君が同僚の研究員たちに危害を加えたわけでもないし。」

「最終的にはきちんと実験を進めたのだから。」

　「だが、研究所を離れて実験体たちと交流していたことは･･･」

「申し訳ありません。」

「なに、君を責めるわけじゃない。君の精神障害は元から分かっていた事なのだから。」

「むしろ気の毒に感じているよ。」

「君が二次実験者だったなら問題の記憶を消去してあげられるのに。」

「一次実験はいろいろと不備な点が多かったからな･･･」

　　　　トン

トン

「ああ、そうだ。」

　「侵入を試みた実験体たちは皆、バックアップせずにリセットすることにしたよ。」

「 ･･･ 」

トン

　　　　トン

トン

「他に何か異常が起きた実験体はいなかったね？」

「はい。」

「んー･･･よし。」

　「最後に記憶消去さえ上手くいけば今回も問題はないな･･･」

「そろそろ再生速度をもっと早めてみてもよさそうだ。」

「全てが終わったら。」

「ですから･･･」

「もうそれ以上の実験が要らないようになったら」

「彼らは全ての記憶を忘れて新しく生きていけるんですよね？」

「そうだよ。我々だって精神と肉体が極限まで達したときに起こる問題を確認しようとしているだけだ。」

ササッ

「なにも悪趣味でこうしているわけではないんだからね。」

グッ

「むしろ～、」

　「人類の平和を願う平和主義者のほうなのさ。」

「研究が終わったら全て元通りに戻すつもりだよ。」

「生き返らない実験体たちも蘇生させて、記憶もきれいに削除してね。」

「彼･･･ブレッドだったかな？ 君が特に愛着をもっていた実験体。」

「フレッドです。」

「ああ。それだ。」

「その実験体を再び生き返らせるって信念のためにここに残ったんだったよね？」

「そんなトラウマがあるのに。」

「そんな記憶が ”あるのに” ここに残ったのではなく」

「そんな記憶が ”あるから” ここに残ったのです。」

「全てを取り戻すための唯一の方法だから。」

グッ

「そっか～ 頑張ってこうね～」

「ちゃっちゃと終わらせた方が、君のためにも～私のためにも良いんだ～ 人類のためにもなるしね～」

「ほら、夜明け前が一番暗いっていうだろ？」

ズズッ

「現在（いま）が辛くても、より良い未来を思い描いて頑張ろうってね。」

ポン

「光はいつも闇の中から芽生えるものだよ。」

バタン

（ 他の研究員にとって、あなた達はただの実験体というだけですが ）

（ 私は知っています。 ）

（ あなた達が置かれているこの状況が、どれほど過酷なものか。 ）

（ そして、微かな希望に縋ってその苦痛の日々に耐えていることを。 ）

（ だから･･･ ）

「...そろそろ仕事しなきゃね。」

コツ

　　　　　コツ

（ ...まだ大丈夫。 ）

（ 研究さえ成功すれば･･･ ）

（ 研究さえ成功すれば、みんな救われるんだから。 ）

コツ　　　コツ

（ だから絶対に... ）

　　　　コツ

コツ

（ 何があってもこの実験を成功させないといけない。 ）

（ どんなことをしても･･･ ）

- END -