【ウィズダフネ】アリスの性能評価とステ振り・継承優先度【ウィザードリィダフネ】

蛮族は、異端と呼ばれる邪神アゴラを崇める一族で

他の種族から奪ったあらゆるものをアゴラに捧げていた

彼らはアゴラの啓示により、アゴラの巫女となるべきエルフの娘、アリスを迎えにきたのだった。

アリスの両親がすでに死んでいたことも、アリスが

無抵抗で蛮族に付き従ったことも、全てはアゴラ神の思し召し。

彼らはそう確信し、アリスを自分たちの故郷、アゴラの祭壇へ連れ帰った。

アリスは北方山脈から遠く離れた南部の洞窟の奥へ連れていかれ、アゴラの巫女としての修行を積むことになった。

修行によりアリスの生来持つ勘の良さは研がれ、魔術を学ぶことで魔力は順調に高まった。

成長とともに生来持つエルフの美しさも磨かれ、蛮族たちは力と美貌を持つアリスをアゴラの化身としてあがめ、かしずくようになった。

アリスは蛮族の期待にえ、時に厳しく時に優しく

アゴラの信託を告げては蛮族たちを導いた。

蛮族たちは完全にアリスに使役されるようになった。

アゴラの声を聞き、年を取らず美しいままのアリスは蛮族たちの心の拠り所であり、アリスに仕える事こそが彼らの幸福だった。

しかし。その幸福は唐突に終わりを告げる。

アリスが攫われて400年。誰もアリスを攫った経緯など忘れてしまった頃。

アリスは忠実な3人の信徒を残し、その他全ての信徒を皆殺しにしたからだ。

アリスは祭壇に祈りを捧げ、語りかけた。

「アゴラ様。アゴラ様は私の体が欲しくて私を攫ったのでしょう。アゴラ様が私に馴染むように修行をさせ、食事を制限し、アゴラ様の身体にふさわしい肉体となるように育てました。

爪の先から髪の先まで私はあなたのものです」

アゴラの祭壇がそれを肯定するかのように震えた。

アリスは慈悲深き微笑みを浮かべ、アゴラの祭壇に手を伸ばした。

そして、厳かに秘密の祝詞を唱えると、アゴラの神体から燃える炎のような核を取り出した。

アリスはそれを掲げると、ささやくように語りかけた。

「でもね、アゴラ様。私もアゴラ様を愛しておりますアゴラ様が私を欲する気持ちに負けないくらい。

私はどうしてもアゴラ様が欲しい。

アゴラ様を私だけのものにしたいのです …… 」

そして「失礼致します」と告げ、アゴラの核を口に含み、ゴクリと飲み干した。

血潮が滾るような感覚を十分に感じた後、アリスは歓喜の吐息を漏らした。

「嬉しい。私の中にアゴラ様を強く感じます …… 」

こうしてアリスはアゴラを取り込んだ。

アゴラの計画では、アゴラがアリスの心を食らい付くしアリスの身体を手に入れる算段であった。

しかし、修行により強靭な心を持つ魔術師となったアリスは、逆にアゴラを取り込む事に成功した。

「アゴラ様。これで私達はずっといっしょです。

もっとアゴラ様にふさわしい大地を見つけ、広大な王国を築くとしましょう」

こうしてアリスは3人の信徒を従え、神殿を後にした。

アリスはその後も各地でアゴラの力を強化するべくいくつかの村や町を襲い、そこに住む人々の魂をアゴラに捧げて歩いた。

その度にアリスは異端として追われる事になったがその美しい見た目を武器に被害者として立ち回りいつも捕らえられることなく姿をくらました。