【ウィズダフネ】ラファエロの性能評価とステ振り・継承優先度【ウィザードリィダフネ】

ラファエロがめとったイヴリンは、女神のように慈悲深く誰からも慕われた。

ラファエロは不思議でならなかった。なぜ妻は夫以外にもあの美しい笑顔を向けるのだろう。

ラファエロの独占欲は次第に狂気を帯びていく。

「愛するイヴリンが僕の世界の全て」

「彼女もそうあるべきだ。僕が正しく導かなくては」

ラファエロはイヴリンが教えに背くことをすれば普段は服で隠れて見えない箇所に焼印をつけた。

青あざができるほど殴った。髪を切り爪を剥いだ。

一方で教えに忠実である限り、異常なまでにイヴリンを溺愛した。

人一倍従順であったイヴリンは、信徒として至らない自分を夫が導いてくれると信じ折檻に耐え続け、やがて命を落とした。

ラファエロは折檻の果てに死なせたイヴリンを蘇生させ彼女が教えを破れば再び死ぬまで折檻を繰り返した。

ラファエロにとってこれは妻を正しき道へ至らせるための試練であった。

しかしある時。蘇生は叶わずイヴリンは灰となる。

ラファエロはとの底から悲しみ嘆きみるみる憔悴していった。

彼は涙ながらにイヴリンは闘病の果でに亡くなったと周りに語る。

信徒達からの信頼が厚い彼を、疑う者はいなかった。

虚ろな日々を過ごしていたラファエロは、ある日旅人から錬金術の噂を伝え聞く。

それは元の素材から新たな物質を生み出す秘術であった。

話を間き及んだラファエロに天啓のような閃きが舞い降りる。

「素材さえあれば、消えた彼女も再び現世へ呼び戻せるかもしれない」

「ああイヴリン！イヴリンイヴリンイヴリン。

待っていて。僕が必ず君を救ってあげるよ」

ラファエロは錬金術にのめり込んだ。

初めは折檻部屋に残されていたイヴリンの血や髪、爪を用い、人体復活を試みるも失敗。

次に大寺院から盗んだ遺体を素材に加えるがまたもやイヴリンは戻らなかった。

その後、遺体を盗んだことが司祭に露見しラファエロの悪事は皆が知るところとなる。

信徒達との信頼関係は崩れ去ったが、もはやラファエロにはどうでもいいことであった。

良き人間としての振る舞いをかなぐり捨てた彼は狂信者の大罪人として寺院から追われる。

ラファエロは差し向けられる追手を返り討ちにし、

神の慈悲に感謝を捧げて遠体を素材にした。

さらなる高位の錬金術を求め魔術師を殺しては彼らの知識や術を奪った。

あらゆる外法を試し、自らの内体をも削いで素材とし命を落としかけても、イヴリンは蘇らない。

ラファエロの働哭が鉛色の空に虚しく響いた。

「強い魔物を素材にすればあるいは──」

あらゆる人体復活を試したラファエロは縋る想いでドラゴンの肉を錬金術の陣へ加えた。

すると、陣の中で新たな骨格が形作られ、素村に捧げた肉体が膨れ上がっていく。

「イヴリン、君なのか！？」

ラファエロは歓喜の表情で問いかける。

しかし、彼の前に現れたそれは魔物の姿をしていた。

魔物は逃げ出し、やがてラファエロ達の故郷で見つかる。

フィデリス大寺院をはじめとした建物は魔物に破壊され信徒達も全員殺されていた。

追ってきたラファエロも食い殺され、術者の彼が死んだことで魔物も絶命したという。